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たいめいけん凧の博物館と日本の凧の会

目次

東京は日本橋にある凧のミュージアム「たいめいけん凧の博物館」と凧関連のイベントを行っている「日本の凧の会」についてご紹介します。

知られざる日本の文化「凧」の歴史に迫る!

「凧揚げ」。皆さんは凧、いつ揚げられました?小学生の頃?今時の小学生ってお正月に凧揚げするのかしら。

凧(タコ)は古くから日本のお正月の代名詞でもありますが、その昔、関西では「イカ」と呼ばれていたんだとか

冗談のような本当の話で、「凧」という字は「たこ」と読むほかに一文字で「いか」や「いかのぼり」って読むんですって。

和紙や竹などで作られる和凧

和紙や竹などで作られる和凧

スクリーンショット

江戸時代、凧は大流行りして空中でバランスを取るために本体に紙や糸が付けられたものが主流となり、そのヒラヒラが「イカ」の足のように見えたことから「いか」「いかのぼり」と呼ばれるようになったそうな。

たいめいけん凧の博物館

さて、そんな「凧」の魅力を存分に味わえる博物館が東京にあります。

たいめいけん凧の博物館の風景

たいめいけん凧の博物館の風景

スクリーンショット

日本橋の「たいめいけん凧の博物館」はちょっと昔のおじいちゃんの屋根裏部屋に足を踏み入れたような気分になる場所。

仄暗い照明の下、糸や紙が複雑に絡み合った部屋の中で、ガラスの展示ケースや壁一面に貼られた何百ものアートのような凧を存分に堪能できます。

凧のコレクションの数々

凧のコレクションの数々

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なんでも、館長さんは年に50回ほど凧を買い足しながらその数をどんどん増やし続けているんだとか。コレクションには浮世絵や歌舞伎がデザインされた伝統的なものの他にも、ドラゴンや鳥、昆虫をかたどったものやアンパンマンなどといったキャラクターものなど、時代もスタイルも色とりどり。

立体的な外国の帆船を模したものなんかは年代物のインテリアのようで、これ本当に空を飛ぶのかしら、と不安になるぐらい精巧で重量感もありお見事。

外国の帆船を模した凧

外国の帆船を模した凧

スクリーンショット

妖怪を彷彿とさせるちょっと不気味なコレクションの数々を眺めているとなんとなくゾクゾクっときてしまうほど。

今までなんとなくふわっとイメージしていた「凧」にこんなバリエーションがあったなんて。

凧はその時代の流行りや技術を詰め込んだ、一つの完成された芸術だったんですね。

日本の伝統的な凧

日本の伝統的な凧の骨組には真竹が使われています。竹の幹を梢の方から縦割にしてちょうど良い太さに仕上げて表面を滑らかにし、その骨組の上には和紙を張ります。和紙は軽くて丈夫なので凧に適しているんだとか。

伝統的な奴凧(やっこだこ)

伝統的な奴凧(やっこだこ)

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凧の絵は下絵の上に和紙をおいて輪郭を墨で写し取って染料で彩色。凧糸には木綿や麻の太めの撚り糸を使いますが、凧合戦にはガラスの粉末を塗り込んだりガンギリと呼ぶ刃物を取り付けます。

竹の弓に籐を薄く削ってテープ状にした弦を張って凧の丈夫に取り付ける「うなり」はダイナミックなアクセサリー。風の力でこのテープが振動し音を出します。「うなり」の音はかなり遠くまで響き渡るので、昔はその音を聞きつけて凧あげを見に行ったんだそうです。

日本の凧の会

そんな凧愛好家にとってのメッカは「日本の凧の会」。凧揚げ大会やお祭り、凧合戦など、凧を通じた交流を行なっている団体です。

この会は1966年、和凧の素晴らしさと凧揚げ遊びの継承を願って発足されました。

凧を民俗学的に、そして科学の側面からも考察し、一つの文化として捉えて全国津々浦々、幅広い活動を行なっています。

大空に美しく舞い上がる和凧

大空に美しく舞い上がる和凧

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実際「凧」はというのは工作としても楽しめますし、民芸品として鑑賞するのも面白い。

また、広場で大空に向かって羽ばたかせる凧揚げはスポーツとしても楽しめて、エクササイズ効果も抜群。

ストレスを抱える現代社会に生きるからこそ、童心にかえって無心で駆けずり回れる「凧揚げ」が逆にフィットするのではないかと思います。

「たいめいけん」と「日本の凧の会事務局」移転

そんな「たいめいけん凧の博物館」ですが日本橋地区再開発により、令和2年10月19日(月)から一時休業しています。

令和3年4月下旬〜5月上旬に仮店舗での営業再開を予定とのこと。詳細は以下の通りです。

「たいめいけん凧の博物館」 

  • 仮店舗: 東京都中央区日本橋室町1-8-6
  • 電話:1階・03-3271-2463 2階・03-3271-2464
  • 事務所:東京都中央区日本橋室町1-8-3 室町NSビル7階
  • 電話:03-3271-2465
  • 営業時間:午前11時〜午後5時
  • 定休日:日曜日、国民の祝日
  • 入場料:200円
  • 平均滞在時間::15〜30分

凧の博物館では展示の他にも凧の作り方教室などを行なったり、凧の作り方を紹介した本、絵はがき、ステッカー、ピン、Tシャツ、帽子、半纏などオリジナルグッズの販売も行っています。

また「たいめいけん凧の博物館」の移転に伴い、「日本の凧の会」事務局も移転しています。

「日本の凧の会」

凧の会は、凧が好きなら誰でも入会可能。インターネットで申し込みできますので、気になる方は是非